全国社会保険労務士会連合会 近畿地域協議会

それ、社労士案件です。働くルールは社労士へ

社労士が教える7つの雇用新常識 7人の社労士Vol.5

COLUMN

社労士が教える
知らないと損する働くルール
7つのポイント

「会社がそう言うから」「みんなそうしているから」と、働く中の疑問をそのままにしていませんか。実は、制度やルールを知っていれば、防げる不安や損があります。社会保険労務士は、働く人と会社の双方が安心して働ける環境づくりを支える専門家です。ここでは、身近な7つのテーマについて、知っておきたいポイントをまとめます。

1育児休業
育児休業は、必ずしも「長期間、完全に仕事を休む」だけが選択肢ではありません。業務の進捗に合わせた「分割取得」や、労使の合意に基づく「休業中の計画的な一時就業」など、柔軟な設計も可能です。また、育児休業を取得しやすい職場づくりを進める企業には、業務代替を支援する助成制度なども設けられています。
2カスタマーハラスメント
お客様からの暴言や理不尽な要求を、「仕事だから」と一人で抱え込む必要はありません。カスタマーハラスメントへの対応は、従業員個人の我慢に任せるのではなく、会社として相談窓口や対応手順を整えることが大切です。働く人を守ることは、会社を守ることにもつながります。
3有給休暇
有給休暇は、正社員だけのものではありません。パートやアルバイトでも、条件を満たせば取得できます。原則として希望する時季に取ることができますが、会社には事業運営上の事情もあります。権利を知ったうえで、申し送りや日頃のコミュニケーションを大切にすることが、取りやすい職場づくりにつながります。職場全体で「お互いさま」の気持ちを持ち、誰もが有給休暇を取得しやすい環境づくりが大切です。
4休職・傷病手当金
病気やケガ、心身の不調は誰にも起こりうるものです。業務外での病気やケガで働けないとき、休職制度や傷病手当金など、生活を支える仕組みがあります。ただし、休職制度はすべての事業所にあるとは限らず、休職制度がある場合でも内容は事業所ごとに異なります。一方、傷病手当金は支給要件を満たせば受給できます。「もっと早く知っていれば」とならないよう、体調不良が続くときは、早めに医療機関を受診し、勤務先の制度について確認しておきましょう。また、事業所においても、休職制度を適切に運用するとともに、円滑な職場復帰に向けた環境づくりを行うことが大切です。
5固定残業代
固定残業代は、「何時間働いても同じ」という制度ではありません。あらかじめ決められた時間を超えて残業した場合、会社は超えた分の割増賃金を追加で支払う必要があります。給与明細に固定残業代と書かれている場合は、何時間分なのか、超過分が支払われているのかを確認することが大切です。
6勤務時間外の連絡
休日や夜間のLINE、メールであっても、仕事の指示や対応であれば労働時間にあたる場合があります。勤務時間外の連絡が当たり前になると、休息が取れず、心身の負担につながります。個人の判断に任せるのではなく、会社として連絡のルールを決め、休む時間を守ることが必要です。
7ビジネスと人権・心理的安全性
働く人の個人の尊厳を守ること、権利の課題を捉えることである「ビジネスと人権」は、働きやすい職場づくりに欠かせない視点です。ハラスメント防止、健康管理、育児・介護・治療と仕事の両立支援などは、単なる法の制度ではなく、誰もが仕事を通じて幸せになれる、人を大切にする社会づくりのためにあります。そして、心理的安全性のある職場は、不安や違和感を安心して「いえる職場」ができます。「いえない職場」では本当の課題が見えにくくなります。働きやすい職場づくりには、対話で課題の溝を埋めていくことが欠かせません。そして、目的はディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)達成。これにより人も企業も成長できるのです。働くための制度や法律、そしてルールは、対話で活きたものにしましょう。社会保険労務士に聞いてください!